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新NISAは何が変わった?これまでとの違いと移行の際の注意点を解説
新NISAがいよいよ2024年から開始となりました。特に以前からNISAを利用していた方は、これまでの制度とどこが違うのか気になるところだと思います。結論から言うと、新制度はこれまでと比べて大きく改善されており、それによって資産運用の戦略も変更する必要が出てきました。この記事では、次の3点について解説しています。
- 旧制度と新NISAの違い
- 新NISAへの移行の仕方
- 以前から利用していた方向けの注意点
新NISAは資金が少ない方向けの支援制度
NISAとは、株式や投資信託を活用した個人の資産形成の促進のために、金融庁が実施している少額投資の非課税制度です。本来、投資によって得た利益には約20%の税金がかかります。しかしNISAを利用すると一定金額までの金融資産で得た利益が非課税になります。非課税となる金額の条件は、昔から投資で稼いでいる人から見ると微々たるものですが、これから資産形成していく必要がある人にとっては非常にありがたい制度です。つまり、この制度は「運用に回せる余剰はあるが、十分な資産形成はこれから」という人をターゲットにしていると言えるでしょう。2014年に一般NISA、2018年につみたてNISAがスタートしましたが、どちらもすでに終了し、それに代わる形で2024年から始まったのが新NISAです。
これまでと何が変わった?5つのポイント
新NISAで変わった点は以下の通りです。
- 資金の分散ができるようになった。
- 年間で投入できる金額が増えた。
- 非課税になる金額が増えた。
- 繰り返し売買できるようになった。
- 非課税で保有できる期間の上限がなくなった。
それぞれ詳しく解説していきます。
①資金の分散ができるようになった
2023年までの制度には、「一般NISA」と「つみたてNISA」の二種類がありました。それぞれ少額投資一般、長期間の積立投資で利用を想定した制度です。新制度ではこれらが同じ制度の中の「成長投資枠」と「つみたて投資枠」としてまとめられました。さらに、これまでは二つの制度のどちらか一方しか利用できませんでしたが、新制度では二つの枠の両方を利用できます。これによって、資金を積立とそれ以外に分散して保有できるようになりました。
②年間で投入できる金額が増えた
一年あたりに投入できる金額には上限が設けられています。従来の上限額は一般NISAでは120万円、つみたてNISAでは40万円でした。新NISAでは、成長投資枠で240万円、つみたて投資枠で120万円と、大幅に増加しています。
③非課税になる金額が増えた
非課税となる金融資産の上限額である、非課税投資枠。一般NISAでは最大120万円、つみたてNISAでは最大800万円でした。これが新制度では合計1800万円と、こちらも大幅な増加となっています。ただし、成長枠にはそのうち1200万円までという上限が設けられています。
④繰り返し売買できるようになった
また、金額以上に重要な変化が、非課税枠の再利用です。ある金融商品を購入すると、その購入金額の分だけ枠を利用したことになります。これまでの制度では、一度購入した株式や金融資産を売却しても、枠がもとに戻ることはありませんでした。しかし、新制度では、売却後にその購入時の金額分の枠が戻るようになっています。これにより、非課税枠内で何度も売買ができるようになりました。
⑤非課税で保有できる期間の上限がなくなった
これまでの制度には、「非課税保有期間」が設けられていて、期間終了時に全て売却するか、課税される口座に切り替える必要がありました。しかし、新制度ではどれだけ長く保有していても非課税のままです。これは運用期間が長いほど有利になる積立投資にとっては非常に嬉しい変更です。
前制度から移行するには?
これまでの制度と比べて、新制度は様々な点で改善が行われています。読者のみなさまの中には、2023年までに既に口座を開設していて、これから新制度に切り替えたいという方もいるかもしれません。実は、すでに口座を開設している場合、2024年始めに自動的に新NISAの口座が開設されているので、特に手続きの必要はありません。さらに、投資枠は旧制度と新制度で別々に設けられています。つまり、旧制度の金融資産を保有し続けていても、新NISAの枠は全て残っていることになります。
【注意】ロールオーバーはできない
これまでのNISAで保有していた金融資産は、これまでの制度に従うことになります。そのため、非課税保有期間の上限もそのままです。しかし、旧制度の金融資産を直接新しい口座に移すこと(ロールオーバー)はできないので、資金を新しい口座に回すなら一度売却することになります。